先日、私が運営するLINEのオープンチャットに、こんな質問が寄せられました。
こちらの質問に関しては、昔を知る方がチャット内で貴重な意見を提供してくれています。もし興味があれば、オープンチャットにご参加いただきその内容をご覧ください。詳しくはこちら
文京区でマイホームを探そうと検索すると、よく目にするのが「3S1K」という総称です。
3SIKとは?
誠之小学校(Seishi)
昭和小学校(Syouwa)
千駄木小学校(Sendagi)
窪町小学校(Kubomachi)
の頭文字を取ったもので、文京区で特に児童数の多い小学校の学区を指します。
参考:文京区役所ホームページ/児童・生徒・園児数(令和6年5月1日現在)
親として子供に最適な教育環境を与えたいと思うのは当然のことですし、3S1Kという言葉が示す学区にどれだけの価値があるのか、知りたくなる気持ちもよくわかります。
これまでも3S1Kについてはたくさん質問をもらいましたが、私は教育の専門家ではないし、3S1Kの小学校に子供を通わせた経験もないので詳しくお伝えできません。
最も信頼できる情報源は、実際にそれぞれの学校に通わせたことのある親御さんの声だと思います。彼らの経験や意見こそが、最も現実的で参考になるはずです。
とはいえ、私は文京区を得意とする不動産会社に10年以上勤めており、その間に多くの親御さんから様々な話を聞く機会がありました。こうした経験をもとに、3S1Kを含む文京区の学校選びに関して、私なりの視点で書きました。
今回のブログは
✔️文京区でマイホームを探している方
✔️3S1Kの小学校に興味がある方
✔️学区だけにとらわれずに住まい探しをしたい
こんな方に向けた内容となっています。
この記事の目次
3S1Kは不動産業者の謳い文句である
3S1Kの由来と広まり
人気学区の特徴
例えば、次のような特徴があります。
⚫︎需要に対して供給が不足
3S1Kが与える影響と実態について
不動産の価値を決める要素
私が運営するオープンチャットをご覧いただいている方はご存知かと思いますが、ここ数年で大幅に値上がりしたエリアは、もともと相場が高かった場所です。価格の変動は学区で決まるものではなく、物件自体の特徴によるものです。
ご指摘を受けるかもしれませんが、不動産業者が3S1Kを強調するのは、少しでも物件を売りやすくするためです。学校自体に特別な違いがあるからというわけではなく、多くの方がこのエリアを探しているため、将来売却する際に有利になるという理由で伝えているのです。
②文京区の小学校の統計データと希望者の特徴
3S1Kだけじゃない、文京区全体で進む児童数の増加
『3S1K』で検索すると、膨大な数の記事が見つかるため、文京区では特定の学校だけが人気で生徒数が増えていると感じるかもしれませんが、実際は違います。
文京区の小学校は、近年、急速に児童数が増加しており、その傾向は3S1Kと呼ばれる学区だけでなく、区全体に広がっています。例えば、15年前(2010年)を100とした場合、2024年5月時点での児童数は文京区全体で約64.5%増加しています。
特に、「指ケ谷小」「小日向台町小」「大塚小」「柳町小」「金富小」「汐見小」では、児童数が2倍以上に増加しており、文京区全体の教育環境が多くの家庭にとって魅力的であることがデータからも明らかです。この増加は、単に地域の人口増加だけでなく、文京区全体が子供を育てる場所として評価されていることを示しています。
また、文京区は毎年、私立中学進学率が23区でトップクラスというデータが発表されています。中学受験を視野に入れている家庭にとっては、文京区内のどの小学校に通っても受験に対する学校の理解が得られやすく、同級生の親御さんとの情報交換も活発です。そのため、文京区の公立小学校であれば、どの学校でも受験に適した環境が整っていると言えるでしょう。
文京区の小学校を希望する人々の特徴
文京区の小学校を希望する家庭には、いくつか共通した特徴があります。
不動産会社での実際の探し方
私は文京区の不動産会社で10年以上働いてきましたが、実際に家を探している方々の多くは、学区よりも自分の予算や希望する住まいの条件を優先しています。特に、すでに文京区に住んでいる方々は、3S1Kにこだわることはあまりなく、今の住まいの近くで新しい家を探すことが多いです。
一方で、区外から文京区に移住を考えている方の中には、ネットや口コミで3S1Kの評判を目にし、その学区にこだわる方もいます。しかし、実際に物件を探し始めると、希望条件や予算に合った住まいを優先するケースがほとんどで、最終的には学区よりも家族全体の生活に適した住まいを選ぶ方が多いです。
特に、予算が限られている場合や、住まいに求める条件(例えば広さや利便性など)が明確な場合、学区は優先順位の低い要素となりがちです。そのため、3S1Kという言葉にとらわれすぎず、家族の生活全体を見渡して最適な住まいを見つけることが大切です。
③小学校選びは家族の生活スタイルと総合的な視点から考えるべき
情報の信頼性を見極めることが大切
「3S1K」に関するSNSや関連記事は非常に多く、一部では過剰に持ち上げられていることもあります。そのため、学区選びに対して偏った感想を持たれる方がいるかもしれません。
まず、そういった記事やSNSでの投稿を見る際は「その小学校に子供を通わせている人のものなのか?」「その地域に実際に住んでいる人の意見なのか?」と、情報の信頼性について考えてみることが大切です。
実際の体験談と現実の課題
仕事や、子供の習い事、保育園や同じ小学校の同級生、妻の職場(文京区)の方々を通じて、私は文京区や近接区の小学校に通わせている親御さんたちから、3S1Kを含むさまざまな学校の実際の体験談や、良い面・悪い面について直接話を聞く機会があります。
どの小学校でも、子供が小学生であれば避けられない悩みやトラブルが発生するものです。たとえば、友人関係の悩みや担任の先生との相性、学校の設備や環境の問題はどこの学校でも起こり得ます。たとえ治安が良い街であっても、学校が荒れるかどうかは、その時のタイミングやクラスの状況次第です。
また、特に文京区の3S1Kのように、児童数が学校のキャパシティを超えている学校では、教室が足りない、休み時間に校庭で遊べる時間が制限されたり、全学年での運動会が難しいといった現実があります。近年急激に外国人児童の割合が増えていることも、文京区ならではの特徴と言えるでしょう。
家族の生活スタイルに合った学校選びを
こうした状況を踏まえると、学校選びは単に「評判が良いから」という理由だけで決めるのではなく、家族の生活スタイルや子供の個性、成長にとって最適な環境を考えることが重要です。
文京区は23区中20番目の広さで、自転車で端から端まで約30分程度の距離ですが、エリアごとに雰囲気は異なり、坂道や地形の高低差などもあります。こうした違いから、人によって好むエリアはさまざまです。
文京区でマイホームを探す際は、学区だけにとらわれず、まずは各エリアを実際に歩いてその雰囲気を感じてみることが大切です。周辺の環境が家族にとってどれだけフィットするかを考えながら、エリア選びをしてみてください。
学校選びに必要な現実的な視点
実際に私も子供を小学校に通わせてみて感じたのは、当初考えていた価値観や優先順位が変わることが少なくないということです。特に共働きの家庭では、小学校に入った後の生活がどのように変わるかを重点的に考える必要があります。
たとえば、学童保育の利用時間や低学年から始める習い事、子供が何に興味を持つかといった点は、家族全員の生活リズムに大きな影響を与えます。また、学童保育の時間やプログラム内容は区によって異なりますし、学校が終わった後の過ごし方をどうするかも、重要なポイントです。
だからこそ、学校選びは家族全体の生活を見渡し、柔軟に考えることが大切です。最終的には、家族全員が安心して暮らせる環境を整え、その中で子供に最適な教育環境を提供することが、長い目で見て最も良い選択になるのではないでしょうか。
まとめ
私は3S1Kについて質問を受けた際には、次のようにお答えしています。
私は、子供の小学校選びにおいて、口コミや評判よりも学校の敷地面積や施設の充実度、設備や環境の方を重視しています。同じ時間を過ごすなら、広々とした環境でさまざまな経験や新しいものに触れさせたいと考えているからです。
こちらの記事では、文京区の公立小学校選びのポイントとして、教育環境や1人当たりの校舎面積まで紹介しています。また、各学区のマンション価格相場や物件の出現頻度についても比較しているので参考にしてもらえると思います。
おわりに
長々と書いてしまいましたが、これから小学校入学を控える親御さんにとって、不安なことがたくさんあるのは当然のことだと思います。私も娘が今2年生になりましたが、保育園時代とは全く違った環境に直面した1年生の時は、色々と苦労しました。
この記事を読んで、「そんなことは言われなくてもわかっているよ」と感じた方もいると思いますが、子どもの教育環境について悩む親御さんにとって少しでも参考になる部分があれば嬉しく思います。
これまで3S1Kに通わせている親御さんに、「他の学校と比べて何か違いがありますか?」と尋ねてきました。でも、皆さん口を揃えて「特に他の学校と比べて特別なことはなく、普通の学校だと思います」と答えるんです。
それはそうですよね。他の学校との比較は難しく、ネガティブなことはあまり言わないものです。
なので、文京区内の各小学校にお子さんを通わせている親御さんたちと、ざっくばらんにお話しできる座談会ができたらなと考えているのですが、
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今後も文京区の不動産情報や生活に役立つ情報をお届けしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。