住宅ローン「過去の借入や延滞はどう影響する?」審査に落ちる理由と対策を紹介。
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住宅ローンの審査が通らずマイホーム購入を断念する人も少なくありません。

「信用情報」においてはこんなケースは注意が必要です。

住宅ローンの審査が不安!!
・現在、他に借入がある
・クレジットカードの支払いに遅れたことがある
・スマホを分割払い、リボ払いを利用している

そこで、今回は住宅ローンの申込に不安がある方向けに「減額承認」「審査に落ちる」原因と対策について解説します。

動画でも解説してるので、よければご覧ください。

住宅ローン審査の流れ

まず住宅ローン審査の流れを確認しましょう。

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マイホームが欲しいなと思ったらまず「資金計画」を考えることが大切です。そして、そもそも自分は「住宅ローンが借りれるのか?」「いくらなら借りれるのか?」を把握するためにも事前審査を受けましょう。

どこの銀行で事前審査した方がいいのか?については大手都市銀行をおススメします。
「三菱UFJ銀行」「みずほ銀行」「三井住友銀行」「りそな銀行」ですね。

理由
①住宅ローンを利用してマイホームを買う場合、購入申込時に「事前審査」を通していることが必須条件ですが、ネット銀行の事前審査では受付けてくれない場合があるからです。
②大手都市銀行で事前審査が通れば、ネット銀行もフラット35の審査も通る可能性が高いからです。

銀行によって審査基準は異なりますが、一番厳しいとされる大手都市銀行の事前審査を通しておけば安心です。(※事前審査をしたからといって必ずその銀行で借りなくてはならないという話ではありません。)

事前審査が通れば本審査で落ちることはほとんどありません。
落ちる場合は、事前審査後、新たに借入をしたりクレジットカードの支払いが遅れた時などです。

銀行は審査する時どこを見るの?

そもそもどういう審査をされるのか?気になりますよね。

国土交通省が毎年、民間住宅ローンの実態に関する調査を実施し、銀行がそれに対し回答してます。この結果はホームページに公表されているので誰でも見ることができます。各銀行の審査基準は明確にはされていませんがおおよその察しがつきます。

2020年3月に公表された「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」を一緒に見てみましょう。19ページの「審査項目」に銀行が融資を行う際に考慮する項目が紹介されています。

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完済時の年齢は「80歳未満」「最長35年」「健康状態が良好」「勤続1年以上」、「年収300万以上」と定めている銀行が多いです。

昔はスコアリング方式での審査が主流でしたが、令和元年度調査では「スコアリング方式では審査を行っていない」と回答した銀行が53.4%でした。

スコアリング方式とは?
年齢や年収、職業、勤続年数といった申込者の「属性」と信用情報機関に登録されている「信用情報」をベースに点数を付け、その合計点によって融資するか否か決める方式のことです。年々、「スコアリング方式では審査を行っていない」銀行が増えているのは、現在の多様化する社会の中で一人ひとりの状況に柔軟に対応して審査するのが難しくなってきたからだと言えるでしょう。

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今回の話のメインは「減額承認」「審査に落ちる」ケースです。なので、「融資を行う際に考慮する項目」の中の「9.返済負担率」「14.カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」が大きく関わってくるのでこの2つの項目を深堀します。

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住宅ローン減額承認の理由と対策

例えば5,000万の事前審査申込をして、4,000万ならOKと言われる「減額承認」
なぜ希望借入額から減額されてしまうのか?

考えられる理由は主に3つ
①現在、他に借入がある場合
②属性に不安があると思われた場合
③借入枠が残っている場合

①他に借入がある場合

1番大きな理由は「返済負担率」がオーバーするケースです。

返済負担率とは?年収に占めるローンの年間返済額の割合のこと

無理なく返済するための基準として一般的に35%以内が目安とされています。
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して取り扱う「フラット35」の返済負担率を見てみましょう。

年収 400万円未満 400万円以上
返済負担率 30%以内 35%以内

フラット35ではこの負担率を超えてしまうと、減額されます。フラット35のホームページ内の「年収から借入可能額」をぜひやってみてください。

年収600万円の場合の借入可能額を見てみましょう。

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すると結果は「5,670万円」と出ました。

なぜこうなるのか?は「年収600万」の場合の返済負担率は35%以下でしたよね。
ということは年間の返済額を210万以下にする必要があります。
他に借入がない場合なので、「5,670万」を金利1.55%、35年ローン、元利均等方式で計算をすると

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よって借入可能額は「5,670万」までという結果になるわけです。

では他に借入がある場合で見てみましょう。条件は先ほどの年収から返済方法までは一緒です。

他の借入金で自動車ローンが月に5万、カードローンが月に2万 年間返済額が84万あったとします。

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すると結果は「3,402万円」になりました。

なぜこうなるのか?は年収600万の場合の年間返済額は210万まで。ここから別の借入の84万をひくと126万までになります。
「3,402万」を金利1.55%、35年ローン、元利均等方式で計算をすると

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よって借入可能額は「3,402万」までという結果になるわけです。

なので、借入額を増やしたいなら住宅ローンの申し込みをする前にローンの支払いを完済させた方がいいでしょう。他のローンよりも住宅ローンの金利の方が圧倒的に低いと思うので、資金計画を見直してください。

②属性に不安がありと思われた場合

例えばこんなケースです。

1.勤続年数が短い
2.年収のアップダウンが激しい、歩合給の割合が高い
3.自営業、契約社員、派遣社員
4.他のローンの借り入れ歴がある
5.独身の場合

年齢や年収、職業、勤続年数といった申込者の「属性」から支払い能力があるか?審査されるので、該当する場合は減額される可能性があります。

実際にあったケースですが、当時独身で3LDKの戸建の申込をしたときに既婚予定かどうかを確認されたり、離婚歴があった人の場合は養育費の支払い状況まで細かく聞かれたこともあります。

また職業で言うと、プロ野球選手。借入年数と借入額が大きく減額された経験なんかもあります。どうやら球団や年俸の推移、引退後も活躍できるかどうか?まで銀行によって審査基準があるようです。

定年時に住宅ローンの残債がいくら残っているか?というのも審査のポイントになります。退職金で繰り上げ返済する予定があるならばプラス評価になります。

③借入枠が残っている場合

現在、他に借入があるか?過去に借入、返済に遅れはなかったか?審査されるわけですが・・。
見落としがちなのが、クレジットカードのキャッシング枠です。

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カードにキャッシングが設定されていると、たとえ利用していなくても今後利用するかもしれない!と判断され減額になる可能性があります。

とくに過去にキャッシングローンを使ったことがある人は、解約してないと使ってなくても契約は継続している可能性があるので必ず確認してください。

カードのリボ払い、スマホの分割払いも減額になる対象になるので住宅ローンを申込する前に整理するのがいいでしょう。使ってないクレジットカードがあれば解約しましょう。

これとは別に購入希望の物件の担保価値も影響することを頭に入れておいてください。銀行はもしあなたが返済ができなくなってしまった場合、そのお金を回収するために物件に担保の設定をします。なので物件の担保価値以上の融資を希望した場合は減額される可能性があります。

できる対策は?
・頭金を増やして融資額を減らす
・ローン年数を長くして返済負担率を下げる
・共働きの場合、ペアローンや収入合算も検討する

ということになりますが、なかなか難しいですよね。頭金を貯めてと言われても何年もかかってしまうかもしれません。

審査結果で「減額承認」となった場合は、他の銀行で再審査しましょう。A銀行がだめでもB銀行なら希望額を借りれる可能性があります。少しでも不安がある場合は、最初から複数の銀行に申込するのがいいと思います。

住宅ローン審査に落ちる理由と対策

住宅ローンの審査に落ちてしまうかもと思うくらい不安であれば対策は2つです。

①信用情報を取り寄せる

住宅ローン審査に落ちる原因は?
・クレジットカードやローンの支払いが遅れたことがある
・自己破産、任意整理したことがある

この二つが真っ先に考えられます。

住宅ローンの審査に落ちる⇒「ブラックリスト」という認識の方が多いと思います。
「ブラックリスト」と呼ばれるものは実際には存在していなくて、信用情報機関に「事故情報」として掲載されることです。

事故情報としてが登録されると、住宅ローンの審査が落ちてしまう原因です。なので、不安がある方は信用情報センターから自分の情報を取り寄せて確認してください。原因がわかれば対策を考えられます。

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信用情報にはシーアイシー日本信用情報機構全国銀行個人信用情報センターの3つあります。全て取得することをおススメします。(※現在、コロナの影響で窓口業務は休止中)

試しにシーアイシーで自分の情報を取り寄せてみました。

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クレジットカードの情報です。車のオートローンや他借り入れがあればページ毎に情報が記載されます。

ポイントは一番下にある<入金状況>です。
過去2年分が記録されていました。
支払の遅れがなかった場合は「$マーク」
支払の遅れがあった場合は「Aマーク」が付くようです。

ではこの「Aマーク」はどれだけ支払いが遅れたらつけられるのか?
例えばうっかり口座に支払い予定の金額を入金するのを忘れて、支払日当日引き落とされなかったら?
これ、ありえますよね。

後日、カード会社から「期限日までに支払ってください」というハガキを受け取ってから支払った場合はセーフか? これはおそらくカード会社によって基準も異なるでしょう。このハガキや電話で案内を受け再度決められた期限までに払わない場合はアウトだと思います。

この延滞事故が過去のものなのか、直近のものなか?連続して起きてるのか?によっても銀行の見方が変わります。

じゃあこういった延滞事故をもし起こしてしまった場合、いつまで記録に残ってしまうのか?それは各信用情報機関によって異なるようです。

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ネットに様々な情報がありますが、信用情報を取り寄せて自分の情報がどう記録されているのか確認するのが確実です。

②不動産会社に相談する

では、信用情報や個人の属性に不安がある場合はどうしたらいいか?

それは、銀行の融資担当者と相談しながら事前審査ができるところを選ぶということです。
不動産会社の営業マンにお願いするのが手っ取り早いです。

なぜか?売買を主力とする不動産会社には、住宅ローンの窓口となる各銀行の担当者がいます。

営業はお客様の個々の事情に合わせて、審査前に各担当者に相談をして融資が通る可能性が高い銀行を探します。そして、融資担当者は個別事情を考慮して融資の土台に上がるかどうかを先に教えてくれるのです。

もちろん不動産会社にお願いしたからといって、必ず審査が通る!ということではありません。審査が通る可能性が高い銀行を見つけやすいということです。

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例えば、ネット銀行の事前審査はスピーディーで自分で完結できるので楽ですが、担当者が付くわけではないので銀行が定める審査項目でしか基本審査をしてくれません。
この場合、信用情報や個人の属性に不安がある場合は、「減額承認」または「審査に落ちる」可能性が高いです。

詳しくは書けませんが不動産会社が提携している住宅ローンや担保価値の高い物件であれば融資額が伸びたりするケースもあります。審査に通りやすい銀行があるのも事実です。

絶対に注意していただきたいのは、申し込み時には必ず「虚偽の申告はしない!」ということです。そして、不動産会社に相談するならば何か不安なことがあれば審査の前に話してください。

我々はそういったお客様からの相談には慣れていますし、ケースごとの事例の蓄積もあります。
お一人で悩まず不安なことがあれば、ぜひ相談してみてください。

以上となります。
参考にしてもらえたらうれしいです。

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